受賞者インタビュー

INTERVIEW
優秀賞
NCTで、世界のがん検査をTransform!
株式会社100 
代表取締役 山上 博子 様
NCTで、世界のがん検査をTransform!
「多様なWell-being(健幸)の体験の場を創造する」をミッションに掲げ、
「痛み」や「恥ずかしさ」を伴わない次世代がん検査:New generation Cancer Test(NCT)の普及に取り組む

がん検査に、新しい検査の選択肢を。

今や2人に1人が、がんになります。なのに、日本で検査の受診率はあがらず、乳がんでは5割を切るため、国や自治体が、従来型の検査の受診率を高めようと、啓発活動に力をいれています。
この状況について、新しい検査を世に届けようとしている株式会社100 山上博子さんは、その意義を認めつつ、目指す社会の方向性を語ってくれました。

「標準のマンモグラフィー検査などでの受診率向上は、とても大事です。ただ、痛みや恥ずかしさ、そして医療機関でないとできない煩わしさが伴う今の検査では、劇的な受診率の改善はしていかないと思うんです。」

山上さんは、長年、医療業界に従事され、新しい薬や検査などが開発・承認されても、使いたい人の元に届かず、選択肢が増えていかない現実を目の当たりにされ、何とかこの現状を変えられないかという想いを募らせてきました。

がん検査の世界でも、新技術の開発が進み、胸を押しつぶさない検査や、涙・呼気などでの検査など、「痛み」や「恥ずかしさ」を伴わない次世代検査が増えるのに、なかなか世の中にそれが選択肢として提示されないのは、本当にもったいない。

「気軽に使える新しい検査を、身近な場所で体験できるプラットフォームがあれば、きっとがん検査に関心がなかった方にも届くはず。誰もやらないなら、私がやるしかない。」

そんな気持ちで自分を奮い立たせ、起業されたそうです。

NCTで、世界のがん検査をTransform!

まずはニーズの掘り起こし。来年にはNCTの実証実験を予定。

「新しい形のがん検査は、これからますます出てくるし、それらを医療機関ではなく、ショッピングセンターや近所のカフェなどで、気軽に受けられるようにしていきたんです。」
山上さんは、そんな壮大な構想の実現にむけ、今は少しでも多くの利用ニーズの声を集めることに力を入れて取り組んでいます。

SNSやクラウドファンディング、リアルでのイベント、展示会など、あらゆる機会を活用して、新しいがん検査というものの存在と、それを利用したいというニーズを日々見つけ出し、「『痛み』や『恥ずかしさ』を伴わない次世代検査」への期待を集めています。

このニーズを集めた先、来年秋以降には、新しいがん検査を展開する会社と一緒に、いよいよNCTを身近な施設で実際に受けられるよう、準備も進めています。
なにしろ、検査と言っても、相手は病気。安全性や正確性も求められます。でも、そこは長い医療業界での知識と経験を活かし、がん検査技術を持つ会社とも、強い信頼関係を築いて、乗り越えることを目指しています。

ビジネスとして成立させるのは簡単ではない。それでも進むのは、期待してくれる人がいるから。

この事業は、新しいがん検査に関心を創り出し、これまでがん検査に関心が低い/なかった層を呼び込もうとするもの。
治験クリアや国家的な認証が必要で、ユーザーからも安全性が重視され、なかなか新風が吹きにくい、特殊な業界でのチャレンジで、事業として成立させるハードルが高いことは、山上さんも当初から想定していました。

「それでも、決してこれは、独りよがりな事業ではないと信じています。がん患者さんやご家族の皆さんとふれ合う中で、『ぜひ痛くない検査を気軽にできるようにしてほしい』と心強い応援の声をたくさん頂いてきました。
こんなに応援してくれる人がいるなら、できるところまでやらないと後悔する、と思って事業を進めています。」

山上さんは、「痛くない、新しい検査の選択肢を」の声に勇気づけられ、さらに力強く、構想の実現のための歩みを着実に進めています。